ライブやレコーディングでのマイクの使い方は、声の魅力を最大限に引き出すために重要です。少しの工夫で、声に違いを生み出すことができるため、今回はマイクの使い方に特化してご紹介します。
1. マイクの距離と角度の調整
声の響きや強さに応じて、マイクの距離と角度を調整するのは基本です。
距離の取り方
近づきすぎると低音が強調される「近接効果」が生じ、声がこもりがちになります。適切な距離は10〜15cm程度が理想とされ、遠くなるほど柔らかい音質に変化します。
角度の調整
声を当てる角度によって、響き方が変わります。強めの発声ではややマイクをずらし、柔らかい音を求めるときには真正面からマイクに向かって発声することで、聴き手に伝わる印象を変えられます。
2. 音量調整のポイント
声の大小を意識しながらマイクに乗せる音量を調整すると、ダイナミックな表現が可能です。
大きな声
声が大きいパートや感情を込めたい部分では少しマイクから離れることで、音割れや過剰な圧を防ぎ、クリアに伝わるようにします。
小さな声
ささやくような部分では、近づいて音の細部まで伝えることで、感情表現が豊かになります。音量を調整しながら距離を変えることで、歌やスピーチにメリハリが生まれます。
3. ピンポイントで強調する技術
特定の音域や部分を強調したい場合には、ピンポイントでの調整が効果的です。
低音を強調する
近づいて、低音が響きやすい角度で発声することで、深みのある声が際立ちます。ロックやR&Bなど、パワフルな声が求められるジャンルで使えるテクニックです。
高音のクリアさを引き出す
少し離れて声を高めに当てると、きらびやかでクリアな高音が引き立ちます。高音を滑らかに聴かせたい場合に有効な方法です。
4. 環境ノイズを抑えるコツ
マイクには環境音も拾われやすいため、効果的にノイズを抑えることも重要です。
マイクの向きや遮音対策
マイクの指向性(拾う方向)を考慮して、環境ノイズが入りにくいようにセットすると良いでしょう。背後のノイズが多い場所では、壁やスクリーンで遮音し、クリアな声だけがマイクに乗るように工夫します。
5. 実際のパフォーマンスでの応用
ライブやレコーディング現場では、ステージや楽器の影響も考慮しながら柔軟に調整する必要があります。以下の応用テクニックでさらに声の表現が広がります。
マイクスタンドの位置調整
長時間のパフォーマンスではスタンドの位置や角度も重要です。楽器を使うときやダンスをする場合には、スタンドを活用して動きをサポートしましょう。
息継ぎ音を抑える
意図しない息継ぎ音はマイクが拾いやすいため、息継ぎはマイクから少し外すと、自然な音質が維持できます。息を吸う際も、意識して吸う量をコントロールすると音が滑らかになります。
まとめ
マイクの使い方を工夫することで、声に個性と深みを加えることができます。Draw.のボイトレでは、実際にマイクを使いながら最適な使い方を練習できるコースもありますので、ぜひ体験してみてください。